Microsoft Surface Pro4
分解に使用している機種は[Surface Pro4 1724 CR5-00014/Core i5/128GB/4GB RAM]です。
注意:Surfaceシリーズの分解は極めて難しく、分解時にはかなりの確率でフロントパネルなどが損傷することを前提として作業をして下さい。
1.フロントパネルを開く(1)
電源がシャットダウンされていることを確認し、作業し易い台に置きます。ヒートガンなどを使うので熱に弱いものが周囲に無い事を確認しましょう。
本体のフレームとフロントパネル(液晶+タッチパネル)は外周部を強力な両面テープで貼り付けて固定されているのでこれを剥がして分離します。分離の順序は箇所からの両方向に矢印に沿って徐々に、カメラ部品の設置地点まで交互に進みます。
まずはヒートガンやドライヤーなどで付近を暖め、テープが剥がれやすい状態にします。暖めすぎると部品を傷めるので注意しましょう。
※下部の小さい写真が有る場合、カーソルを合わせる(またはタップ・クリックする)と大きい写真が表示されます。
2.フロントパネルを開く(2)
ヒートガンなどである程度(触れる程度の熱さ)に暖めた後iSclackをになるべく近くなるようにセットし
レバーを握って隙間を作ります。何度か試してだめであればiSclackを外して再度暖めるところからやりなおします。
パネルに隙間が出来たら薄いヘラなどを差し込んでその状態を維持し、最終的に内側5mmくらいまでピックが入るようになればOKです。最初からピックでもOKですがかなり手間が掛かります。また金属ヘラだとパネルの周囲を削る事があるので取っかかり以外はピックの方が適します。写真ではiFlex(0.15mm厚)で空間を確保し、ピック(0.7mm厚)が入るまで広げて差し替えています。
なおiSclack使用時は写真4枚目のようにキックスタンドの内側にセットします。
3.フロントパネルを開く(3)
前項でフロントパネルにピックが入った状態になったら項目1の通りの両方向に矢印に沿ってテープの剥離を進めます。この時、特に注意する箇所を記します。
フロントパネル側にタッチパネルのセンサー用ケーブルが配置されています。ピックなどを差し込みすぎると切断の可能性があります。
外からでも認識出来る通りこの箇所だけ切り欠きがあります。割れやすいポイントです。
本体フレーム側のテープ直下にフラットアンテナやライト用のアクリル部品が配置されています。接合用の両面テープがパネル側に残っている場合、フラットアンテナの切断リスクが極めて高くなります。状況を細かく確かめてテープがフレーム側に残った状態になっているか意識して作業をして下さい。
4.フロントパネルを開く(4)
フロントパネル外周部の大凡のテープの位置と幅を記します。ピックをこの幅よりも中側に差し込むと部品を損傷する可能性があります。おおまかにはテープ幅より2~3mmくらいしか余裕が無いと認識して下さい。
約4.5mm/コネクタ付近は約1.5mm
約2.5mm
約6mm
約3.5mm/フレーム端から3mm程度隙間あり
約8mm/カメラ付近は2~3mm,カメラとカメラ/センサーの間に8mm箇所あり
以上のこと認識してあとはひたすら慎重にヒートガンで少し暖める>iSclackで引っ張る>ピックで少しずつ剥がす、を繰り返します。また、前項注意の通りテープは極力フレーム側に残るように作業を進めて下さい。
5.フロントパネルを開く(5)
テープをカメラ箇所まで剥がしきるとフロントパネルがフレームから外れた状態になります。ただし液晶パネルとタッチパネルの接続ケーブルにて繋がっていますので、どちらのケーブルも切断・損傷しないようにカバーコネクタ側を軸にして慎重に裏返し、写真2枚目のように置きます。
この記事に関係がある工具と部品のリストです。リンクをクリックするとAmazonでお買い物が可能です。
iSclack【iPhone5~X対応オープニングツール】分解工房オリジナルロゴ版
吸盤とてこの原理を利用してiPhoneやiPadなどのフロントパネルを簡単&安全に開ける工具です。イタリアのメーカーに依頼した当サイト特注のロゴ入りモデルです。割れたiPhoneなどを外しやすくするシール付属。値段は高いですが楽々作業をしたい、またiPadなど外しにくい機種で作業する方に。ケーブルを切りやすいiPhone5sや全周シール仕様のiPhone6s以降の機種に特にお薦めです。ガラス割れ時は付属のシート、若しくは別売りの分解補助シートをお使い下さい。
Fender ピック×10枚 ティアドロップ MEDIUM-WHT
ピックです。ギターなどの演奏に。iSclackと共に無いと話になりません、というレベルで使います。
iFlex【iPhone/iPod/iPad対応修理工具】分解工房オリジナルロゴ版
0.3mmの薄さと硬さを両立し、分解工房版も好評なiSesamoの進化版として登場したiFlexです。薄さなんと0.15mmのステンレス製で、iSesamoでも入らなかった隙間にするする入ります。iSesamoより軟らかく、部品への攻撃性が少ないのが特徴。iSesamo程の硬さは無いので役割に応じて使い分けて下さい。全周シールでヘラを入れにくい6s以降のiPhone、ネジではなくツメなどできっちりと固定されているノートPCの開封時などにかなり便利です。
iSesamo【iPhone/iPod/iPad対応修理工具】分解工房オリジナルロゴ版
最薄部0.3mmのステンレス製作業用ヘラです。分解工房ロゴ入りのオリジナルモデルです。隙間にねじ込んだり起こしたりケーブルを剥がしたり地味に便利な逸品。定番のヘラセット(約0.5mm)よりも薄いです。
度々出て来るプラスチック工具です。適度な強度ですが先端がすぐダメになるので使い捨てと思って使って下さい。Surfaceの分解途中で2,3本はダメになると思います。
マキタ(Makita) ヒートガン(ホットガン) HG6031VK
ヒートガンです。お好きなものをお選び下さい。ドライヤーでも何とかなるとは思います。
Appleのサービスマニュアルでは「Blackstick」という名前にて使用されている工具。静電気を帯電しにくいナイロン製で適度な硬さ、更に両端の片方はヘラ状、もう片方は尖っていてノートや携帯の分解にとにかく便利。こちらはmade in USAのものです。類似品があまりにも多くどれを選んだら良いかわからない、という声にお答えして分解工房公式店でも取扱を始めました。下の緑色のボタンからどうぞ。もちろん記事などで使われている本物です。
「静電気の帯電にデリケートな電子部品、プラスチックの取り扱いに最適。」との事でiPhoneの作業で大活躍。但し、力を入れすぎるとポキッと折れますのでご注意を。先端のスペアも売ってます。
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